積雪期１年生縦走～奥秩父山塊！

あーらよっ！
ブログ担当の渡部です。春の恒例(？)行事
「積雪期１年生縦走～奥秩父山塊」3/17~3/25の記録をお送りしたいと思います！

メンバーは、左から
長谷川(S.L)大槻(記録)河村(装備)植野(エッセン)
渡部(C.L)松橋(渉外・会計)城田(気象)山下(医療)(撮影者)
人数が多かったので、合宿の様に係りを設けてみました。

3/17(１日目)晴れ
6:32 松本駅発→8:20 韮崎駅→9:30 瑞牆山荘(→10:00発)→10:40 林道との分岐→11:30 富士見小屋→13:00 大日小屋(T.S)

秋に１年生だけの縦走は行ってはいるものの、
「１年生全員」の山行というのは初めて。
電車内からふわふわワクワク。
好きなことには脅威的に物知りな大槻くんは、JR中央本線の“どのカーブの後に、甲斐駒のベストビューが見られるか”までご存知。彼の隣は、電車内も飽きさせません。

八方尾根に連行…じゃなくて唐松岳を登る為に、スキー場のリフトに乗っている時は、
あれだけ雪に怯えていたのに、その姿はどこへやら。
うららかな韮崎の山麓に、一同唖然。
水作れるかなー？と気にしつつ、駅で水を汲み、瑞牆山荘までジャンタクでゆく。

　最初の歓声は、富士見小屋手前で見えた瑞牆山！
夏にクライミング来たいなぁ…山見てそう思うようになるなんて。
１年前じゃ想像もできなかった。今回は見るだけで我慢。

　本日の宿は大日小屋なり。普段ＳＡＣはテント泊ですが、冬季小屋として開放しているのなら有難く使わせてもらいます。勿論お気持ちを添えて。

　とりあえず、近くの岩で遊ぶSACのサルたち。

3/18(２日目)晴れ
4:30 起床→6:00 出発→7:10 大日岩→10:50 金峰山→11:50 朝日岳→13:00 大弛小屋(T.S)
　ここらは岩が面白い感じ。

こちらが大日岩。ここにT.S.したら楽しそう。

週末にせよ、縦走にせよ、稜線に出るこの瞬間がたまらない。

さぁさぁ縦走の始まりだ！

バックには南ア主稜線、中ア主稜線を従えて(写ってないですが八ヶ岳も！)

ピークまでも、岩岩のマッチ箱が見ていて楽しい。カッコイイ小ピークではしゃぐもんしー
金峰山山頂

なんとこの日も小屋泊まり。

3/19(３日目)雨
　この日は沈殿。(テントで一日中ゴロゴロする日)
なぜ？以下、決定に至るまでのプロセスの簡単な説明をしてみます。

僕らは山行中、16:00のNHK第二放送を聞いて「天気図」ってものを書きます。

上は3/18のものですが、”前線””低気圧の移動速度・方角”から、
次のT.S.まで予想する行動時間中のどこかの時間帯に、雨とぶつかると予想。
夏なら雨中の行動は当たり前ですが、冬の雨は怖い。手入れのせいか、僕らのレインウェアはGORE-TEXではなく、浸み-てくるを搭載(１時間もすれば…)。全身「濡れ」た状態で、冬の気温下、2500mの標高を歩くリスクの大きさを怖れての判断です。

沈殿の日に、僕らは何をやるか？
小屋ということでSAC体操。
中央にいるのは、ストレッチマン。ざっ！(内輪ネタです、すみません(笑)

3/20(４日目)晴れ
4:00起床→5:30出発→6:50北奥仙丈岳→7:35国師ヶ岳→9:40東梓
→12:20国師ノタル→14:05富士見台手前コル(T.S)
本日は快晴！北奥仙丈へピストン。

国師ヶ岳

わちゃわちゃ感がいい写真(笑)
天気も今日以降は崩れないだろうとの予報で、万事問題なし！

…かと思いきや、国師から先「ズボリングたいか～い⤴」の開催。
この掛け声は…？説明しよう！
モナカ雪：体重をかける前は「おっ、いけるか！？」と期待させといて、いざ乗ると果てしなく沈む雪：体力的疲労というより、精神が折られる点でたちが悪い：のゾーンに入ったことを知らせる重要なCALL(嘘)
まぁ、そういうおかしなテンションで山登ってる集団です？(笑)

3/21(５日目)曇りのち晴れ
4:00起床→5:30出発→7:50水師とのコル→8:30甲武信ヶ岳
→13:00西破風山→15:10雁坂嶺手前コル(T.S)
　
夜の低温で結合力の高まった雪。サクサクと甲武信へ。
地味に破風山は高度感が楽しめた。プチ雪稜もあり、これも地味に楽しい。

…しかし、ついに道迷いをやってしまう。現場はこのJP。
コンパスは夏道の方を指していたが、赤テープと道標(！)が指すからと、

上紫の迷い尾根へ誘われること1０分。…「地形図が正義」でした。

戻り返すこと15分。今更晴れ渡って見えた雁坂嶺がかっこよくて、やられた～って感じ。
結局、予定より2p弱手前でT.S.

3/22(６日目)晴れ
4:00起床→5:30出発→7:51雁坂峠→8:40古礼山→10:30雁峠
12:10笹取山→14:00 2024mp過ぎのなるい稜線(T.S.)
　雁坂峠は実は、日本三大峠！(三伏・針ノ木)地形的に見てて面白い。

3/23(７日目)晴れ
4:00起床→5:30出発→7:45唐松尾山→10:28将監峠→11:40竜喰山～大常木山
12:20飛龍山取り付き→13:30神社→15:30飛龍山山頂(T.S.)
　夏を感じさせる将監峠

(･･･いや、通り抜ける風に確かに感じたのです！)
そして、次の日ほんとに･･･

3/24(８日目)晴れ
4:00起床→5:30出発→8:00三条の湯との分岐→9:30オオカミ平
11:40雲取山→13:15奥多摩小屋→13:50七ツ石山→15:20鷹ノ巣山避難小屋

文字通り、雲を取りに行くかのように突き上げる、雲取山の登りが気持ち良かった。

雪がなくなっちゃたよー、相変わらず折り重なった奥秩父の稜線はきれいだけど。
最後の夜もちゃっかり小屋泊まり。奥秩父は狙っていけば、大半で小屋泊まれるかも。

3/25(９日目)晴れ
5:30起床→6:30出発→8:30三ノ木戸山林道との分岐→9:40神社先の林道→10:30奥多摩駅→新宿解散

九日ぶりの下界では、梅が咲いていました。そして、ついにガッシャー新宿上陸。

…後半が大分薄くなってしまいました。
個人的に森森した山に飽きがきていて、あまり記憶に残っていないのです･･･
ですが！
この山行は山それ自体よりも、同期とのあれこれが思い出深い山行になりました。

会一だけで積雪期に長期で入れる山域ということで、奥秩父山域の技術的困難性は高くはありません。
とはいえ会１だけですから、
小さくはコースの選択(稜線？トラバース？偵察？)、
大きくは行程の選択(どこまで？沈殿する？)まで
決断はいつだって、「自分たちだけ」でしなければいけません。

決断には常に、それなりの「思考のプロセス」が伴うものです。
この山行でやっと「考える登山」･･･その魅力が見えた気がします。

２日目の沈殿決定の話し合いが、ともかく印象深かったのを覚えています。
ベストな判断だったかは分かりませんが、上級生が話し合う姿を思い返しながら
　「降雨領域300kmが到達する予想時間」「最少の行動時間」「水問題」…
把握すべき情報を整理して、
　「冬・2500m・濡れのリスク」「長期縦走の前半」「T.S.設営までの時間」…
たくさんの想定をして、
　「5:30までに降雨なし→偵察隊：T.S.候補地までの樹幹・雪・の様子を見る。～6:45までに、戻らなかったら…」
以上をまとめあげた決断の、その基準を明確にする。

大げさだったのかもしれませんが、
そんな一連を、メンバー全員が積極的に発言しながら練り上げたあの時間が
実はこの山行で一番楽しかったってのは、ここだけの話。

tactics(戦略)：パーティのメンバー全員で考えるもの
体力・技術と並んで、「登山の総合力」の一角を成す大事な要素だと思います。

今回合宿をまねして「係り」を設けてみました。
上手くいった面もいかなかった面も両方あった様に思います。
「C.L」「S.L」「気象」「医療」「装備」「食糧」「記録」「会計」「渉外」
全てが機能したパーティは、一体何ができるのだろう？
体力・技術、まだまだメンバー全員求められるレベルに達しているとは言い難い。
経験も足りない。考え方も未熟だ。
全員が卓越した力を持つパーティは、どんな山へ挑めるのだろう？

同期ってのは、一段と繋がりが強い気がする。
また一年山と向き合って、各々が成長して、また集って･･･
もっと大きな山行をやりたいものだ！
山の楽しみ方は、自分次第。無限大に広がりますよ！