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あらよ。会2、渉です。 登攀合宿の後半、B隊の登攀について書きます。 場所:上高地 屏風岩 日時:8/14~/17 メンバー:江川(会4) 中嶋(会2) 8/14 BC移動 6:30 起床 7:00 サマテンで朝食 11:20 サマテン出発 11:55 明神(分岐) 12:40 徳沢 13:40 横尾 この日はBCの移動だけだったので、ゆっくり起きてのんびり行動した。 まさか山で食せるとは思っていなかった納豆を朝食でいただき、 さらに早めの昼飯に冷やし中華を食べ、サマテンを離れた。 OBの方々、大変お世話になりました。 ちなみにこのときカンパとして食料を沢山いただき、 来た時よりも荷物が重くなった。 愛のある重みでありました。 観光客の間をすり抜けて横尾に着いてから、江川さんと二人で屏風岩の偵察に行く。 この日の屏風岩は全部で5パーティーが取りついていたらしい。 とりあえず「雲稜ルート」と「フリークライミング」のラインを見定めて、BCに帰った。 BCでエッセンを終えようとしていると、滝谷に行っていたA隊の二人がやってきた。 素晴らしいクライミングをしてきたようで、 2日前の前穂東壁のことを思うと、少し羨ましかった。 8/15 「フリークライミング」途中敗退 4:00 起床 5:00 横尾発 6:30 T4尾根取りつき 8:00 T4 8:20 登攀開始 2:00 途中敗退して下降開始 4:00 T4尾根取りつき 4:45 BC帰着 岩小屋跡から川を渡り、対岸の押し出しから沢を歩き、屏風岩の真下に出た。 中又白谷に比べると明らかに人が入った跡があって、非常に歩きやすかった。 この日屏風岩に取りついていたのは僕らも含め3パーティー。 ちなみにどちらのパーティーも知り合いだった。 世の中が狭いのか、この岩場の門戸が狭いのか。恐らく両方だろう。 「T4尾根」を登り、T4に抜ける。 Ⅳ級が2ピッチ続いて、その後は踏みならされた樹林を抜ける。 ここだけでも結構面白く、且つ岩もよく、快適なアプローチだった。 しかしT4直下がもはやキジ場と化しており、非常に不快だった。 先行パーティーが「雲稜ルート」を登っているので、 僕らは「フリークライミング」を登ることにした。 T4から草付きをトラバースして、顕著なルーフの下から取りつく。 1P目(5.10a)はルーフの下をかすめ、 コーナークラックを登ってから最後に豪快なハング越えが待っていた。 荷物も背負っていたし、高度感と予想外のムーヴに戸惑ったものの、オンサイト。 2P目(5.10b)は嫌な草付きバンドをトラバースし、最後に脆いクラックを抜ける。 トラバースは問題なかったものの、 最後のクラックでは怪しげなハーケンを足元にしてのクライミングだったためヒヤヒヤした。 エイリアンなどのスモールカムを持ってくればよかった。 3P目(5.9)は邪魔なブッシュを引っ掴みながら越えて快適なクラックを登る。 通常は次のピッチの事を考えて2P目をここまで延ばすらしい。 4P目(5.10d)このルートの核心。 細いクラックが走るルーフ下を、滑りそうなスタンスに乗ってトラバースする。 ルーフの出口付近が核心で、ここでは結構ギリギリのムーヴで越えた。 が、その後も「これが使えたら楽なのに!」というホールドが浮き石になっていて、 行きつ戻りつした後、細いブッシュを掴んで強引に抜けた。 5P目(5.10a)出だしのバランシーなトラバースから、 ところどころブッシュのあるフェースを右に巻くように登る。 乏しいプロテクションで、しかもランナウトした状況で微妙なムーヴをこなし、 これでルートの核心は全てオンサイトした。 しかしここで雨が降り出し、泣く泣く途中敗退した。 60メートルザイルの威力は凄まじく、 4ピッチ登ったところから2回の懸垂下降で取りつきまで降りられた。 そこから濡れた草付きをクライミングシューズのまま通り抜けて戻り、 T4尾根を下降して逃げ帰った。 この日も登攀にかなり時間がかかってしまい、 「雲稜ルート」のパーティーが屏風の頭に抜けてパノラマ新道を降りてくる間に、 僕らはたった4ピッチしか登れなかった。 グレード云々を抜きにして、もっと速く登れるようにしなければ。 5/16 「雲稜ルート」 4:00 起床 5:00 横尾発 6:00 T4尾根取りつき 7:30 T4 7:45 登攀開始 13:30 下降開始 15:30 T4尾根取りつき 16:30 BC帰着 この日は屏風岩が完全に貸し切りだった。 広大な壁に、登っているのは自分たちだけ。うーむ、爽快。 この日はT4まで2時間半、前日よりも30分短縮した。 こんなものか。いや、もっと縮められるはずだ。 T4についた時点で空は曇り、天気も怪しかったが、 「行けるところまで行こう」ということで登り始めた。 1P目(5.7)リード:江川 50メートルのコーナーを登る快適なピッチ。 フォローの僕は思い切りスピードを上げて駆け登らせてもらった。 2P目(5.8)リード:中嶋 下り気味のトラバースからスラブを登って扇岩テラスに出る。 トラバース部分でホールドが乏しく、なかなか怖く感じた。 その後のスラブもムーヴがスッキリせず、なんだか登りにくい。 扇岩テラスは広くて快適、ビバークも容易に出来そうなところだった。 とりあえず一息ついて、次のピッチが核心。 扇岩に登ったりして壁を眺めまわしたが、いまいちホールドが分かりにくい。 3P目(5.11c)リード:中嶋 結局ホールドがよく分からないまま突っ込んでみたが、 簡単に跳ね返されてしまった。 ロープにぶら下がってホールドを探してみると、 左のほうに掛りのいいエッジがあった。 これさえ見えていればオンサイト出来たのに!残念。 気を取り直して2回目。 若干バランスを崩しながら下部の核心を越え、続くパートも時間をかけてこなし、 次のビレイ点まで登りきった。 江川さんは歴史を感じるボルトダラーをアブミの掛けかえで越えてきた。 4P目(5.10a)リード:中嶋 このピッチは多少脆い壁を大きなホールドでトラバースして、 草付きを登って東壁ルンゼに突っ込む。 プロテクションがなかなか取れず、仕方なくランナウトして進む。 高度感は恐らくこのルート中最高だった。 5P目(5.8)リード:江川 見た目は汚いコーナーだが、プロテクションの効きが好く、 実際に登ってみると結構快適だった。 6P目(5.7)リード:中嶋 ルンゼの流芯で磨かれたコーナーを、クラックとプッシュで登る。 岩は綺麗で硬いし、非常に気持ちのいいピッチだった。 このピッチだけでも登りにくる価値がある・・・と言いたいところだが、 このピッチの良さはここまでの草付きやボルトラダーがあってこそだ。 7P目(Ⅴ級)リード:中嶋 傾斜が落ちたルンゼをブッシュを掴みながら登った。 終了点直下にRCCの新しい支点が打ってあるが、 ボルトがきちんと効いているか怪しいのでこちらは使わない方がいいだろう。 この日も60メートルザイルはその実力を発揮、 4ピッチでT4に降り立つことが出来た。 扇岩テラスからT4に一気に降りられた時は流石にびっくりした。 「雲稜ルート」は流石人気ルートなだけあって、 岩は安定しているし全体的に綺麗で、 前日の「フリークライミング」とは打って変わって快適なクライミングが楽しめた。 まぁ、僕は前者のような厳しいクライミングも楽しいと思うのだけれど。 その夜は江川さんと500mlの缶ビールで乾杯した。 8/17 下山日 5:00 起床 6:10 横尾発 6:55 徳沢 7:45 明神 8:30 小梨平 バスターミナル この日は撤収、下山のみ。 結局30キロは余裕である荷物を背負い、観光客を追い抜いて行った。 風呂に入らずに公共の乗り物に乗るのは気が引けるが、 何せ時間が早いため、どこの風呂も開いていない。 それじゃあ川に飛び込もうかと話していたら、 徳沢を出た辺りから雨が降ってきた。 結局、臭い体のまま服だけ替えて帰るしかなかった。 憧れの屏風岩を登ってみて思ったのは、 単純な登攀能力の重要性だ。 屏風岩はルートがどれも難しく、 それらを登る上でどうしてもクライミングのパートが多くなる。 昔の岳人も、(当時は)不可能なフェース意外はほとんどフリーで登っている。 まぁ「フリー」と言ったら語弊があるかもしれないが、 要は草付きなどもすべて含めた、クライミングの「突破力」が必要なのだ。 しかもそれらのパートは、グレードこそ5.8や5.7が付いているが、 そのグレードをジムや小川山なんかで登るのとはわけが違う。 荷物、ギアの重さ、岩の脆さ、高度感・・・原因はいくつもある。 それらを凌駕するだけの技量が、力が、この壁には求められるのだと感じた。 アルパインクライミングは難しい。 本当に、難しい。 by 渉
by arayo_arayo
| 2011-08-20 15:26
| クライミング(フリー/アルパイン/アイス
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