あらよ<br>みずきです。<br>かなり遅れてしまいましたが、今年度の夏縦走の記録です。<br>今年度は、北ア3パーティ、南ア2パーティの計5パーティがアルプス縦走に挑みました。<br>今年の8月は台風と前線の影響で雨降りの日が多く、どの隊も連日の降雨に悩まされました。<br>僕たちの隊は、計画では白馬岳を越え、黒部谷を横断し立山から穂高連峰を目指しましたが、<br>相次ぐ雨に予備を消費してしまい、槍ヶ岳の目と鼻の先で敗退するという結果に終わってしまいました。<br>メンバーは、会2菊田、会1郷津の二名でした。<br><br>それでは記録をどうぞ。<br><br><br>【1日目】 曇/雨<br><br>7:45 ロープウェイ終点<br>8:50 天狗原<br>10:35 大池山荘<br>12:35 小蓮華岳<br>14:00 白馬岳<br>14:30 頂上山荘<br> <br>8/6<br><br>前日5日に白馬駅にて前泊。翌日、6:00発のバスに乗り、栂池ロープウェイの起点まで行く。<br>ゴンドラ、ロープウェイと乗り継ぎ、7:45に登山開始。<br>道は整備されており特に険しい道ではなかったが、初日の40kg越えのザックのため登るペースは上がらなかった。<br>出発から2時間ほどで平らな乗鞍岳山頂に到着。<br>それまで視界を覆っていたガスがスーッと晴れ、白馬大池が足元に見下ろせた。<br>岩が累々と重なった道を歩いていくと、大池山荘に到着。この小屋は池を見渡せる湖岸に建っていて、あたりは高山植物の群生が咲き乱れていた。<br>大池湖畔で休んだ後、小蓮華岳への登りにとりかかる。<br>緩やかな傾斜の道を登っていくと、山荘から2時間ほどで小蓮華のピークにたどり着いた。<br>大池ではガスが晴れて景色が見れたものの、稜線に乗ってからはガスが晴れることはなくアルプスの景色は拝めなかった。<br>小蓮華岳からは、空も地面もホワイトのなか白馬岳山頂を目指して登っていく。<br>白馬岳の稜線は白い砂礫で、さすが「白」馬岳と呼ばれるだけのことはある。栂池を出発してから6時間ほどで、標高2932mの白馬岳に登頂。<br>小雨が降っており眺望は得られなかったが、この縦走での初ピークだったので郷津と二人でバンザイした。<br>山頂から30分ほど下ってこの日の宿泊地である頂上山荘に到着。<br>その日の夜は鶏と卵を使った親子丼。ぺミカンのラードが少し足りなくて若干焦げ気味になってしまったが、なかなか美味しかった。<br><br><br>栂池高原駅にて不敵の笑みを浮かべる郷津<br><br>
<br><br>白馬大池にて<br><br>
<br><br>白馬岳山頂に到着。やったね!<br><br>
<br><br><br><br><br>【2日目】 晴→雨<br><br>3:30 起床<br>4:35 出発<br>6:40 清水岳<br>8:50 不帰岳避難小屋<br>14:15 清水尾根登山口<br>14:40 祖母谷温泉<br><br>8/7<br><br>3:30に起床し、薄暗いなかテントを撤収。<br>頂上山荘を発つころは稜線はガスに覆われていたが、旭岳のトラバースの最中に雲が切れて景色が見渡せるようになった。<br>五竜岳、鹿島槍ヶ岳など後立山の稜線や、これから越えていく立山連峰の険しい山容に気分が上がった。<br>なだらかな清水岳の頂に立ったのが出発からおよそ2時間後の六時半。<br>ここから不帰岳避難小屋への尾根の下りでは、色とりどりの高山植物が綺麗だった。<br>草原の道がまっすぐ立山の方面に続いているような錯覚におちいり、つかの間のアルプス大展望を味わった。<br>2000m付近まで下ると森林帯のなかへ突入し、展望がなくなった。<br>不帰岳避難小屋で休憩し、ここから祖母谷温泉へ延々山肌をトラバースしながら下っていくという長い長い下山となった。<br>途中道が未整備の箇所を通過し、徐々に体力が消耗されていく。<br>あまりの長い下りで気力が削がれていき、歩くペースがかなり遅くなってしまった。<br>また突然激しい雨が降ってきて、地面がとても滑りやすくなった。<br>また、長い下りで注意力が散漫になっていたので、先頭を歩いていた自分が濡れた岩でスリップしてしまい、斜面を2mほど滑落してしまった。<br>避難小屋から5時間半で登山口である林道終点に到着した。<br>このころにはメンバー両名ともに足取りはたどたどしく、本来のコースタイムよりも2時間遅れての下山となった。<br>登山口から林道を少し下っていくと険しい谷間に建つ祖母谷温泉にたどり着く。<br>キャンプ場のすぐ横には露天風呂が湧いていたが金銭的に不安だったので、この日は我慢して入浴はしなかった。<br>その夜のエッセンはキャベツたっぷりのホイコーロー。<br>郷津がぺミカンに塩コショウを大量に入れすぎたために完成したホイコーローはとても塩辛かった。<br>それでも疲れていたので美味しく全部食べきった。<br><br><br>前日のガスが嘘かのように、この日は午前中だけ晴れた<br><br>
<br><br>清水岳。しみずじゃないよしょうずだよ。<br><br>
<br><br>北ア北部の山並み。<br><br>
<br><br>これから登る山を指さして、意気揚々の郷津君。<br><br>
<br><br>劔岳がみえた!<br><br>
<br><br><br><br><br>【3日目】 曇/雨<br><br>4:30 起床<br>5:35 出発<br>6:50 水平歩道分岐<br>8:05 蜆谷<br>9:25 志合谷<br>10:35 折尾谷<br>12:10 阿曽原温泉<br><br>8/8<br><br>この日は下界に一時下山という印象だった。<br>祖母谷温泉から出発し、祖母谷の険しい山肌を縫うように欅平へ向かい林道を歩いていく。<br>欅平に着くと、水平歩道への入り口に工事中のロープが張られていたが、登山者は自己責任で通過してくださいとのことが書いてあったので入山することにした。<br>あとで阿曽原温泉の人に聞くと、工事はだいぶ前に終わっていたとのことだった。だったらロープ外せよ。<br>欅平から水平歩道分岐点まではつづら折りの急な登りが続いた。<br>急坂に息を切らせながら登ると、後立山・不帰剣が望める分岐点の台地に着いた。<br>そこからは黒部峡谷のV字谷を延々と水平に進んでいく道となった。<br>岩をくり抜いて作ったというような道で、屋根のようにとび出た岩角が時々ザックに当たってヒヤヒヤした。<br>雨は降ったり止んだりだったが、谷の対岸に奥鐘山西壁の威容や深い黒部の谷を見ながら進んでいったので飽きはしなかった。<br>志合谷出合では、200mほどの歩行用トンネルが出てきてヘッテンを出して通過した。<br>トンネル内は明かりを消せばまったくの暗闇で、なおかつ背をかがめないと歩けないくらい天井が低かった。<br>水平歩道が始まってから5時間歩いくとその日の目的地である阿曽原温泉の建物が樹林のあいだに見えた。<br>そこから急坂を少し下ってだいたい正午ちょうどに阿曽原温泉に到着。<br>行動時間は短かったが、前日の疲れや延々と平らな道を10kmほど歩いたということもあって疲労は割合あった。<br>この日は阿曽原の温泉に使って3日分の汗を流した。<br>雨が降っていたということもあり温泉はぬるい感じがしたが、湯量は十分にあって肩まで水に浸かれたので気持ちよかった。<br><br><br>山肌にくり抜かれた天井の低い道をすすむ。かがむ体勢は腰にくる<br><br>
<br><br>阿曽原の温泉に浸かる。おじさんと世間話をする。<br><br>
<br><br><br><br><br>【4日目】雨<br><br>3:30 起床<br>4:40 出発<br>5:50 仙人谷ダム<br>9:30 仙人温泉小屋<br>12:30 仙人池ヒュッテ<br>13:20 池の平小屋<br><br>8/9<br><br>この日は3:00に起床するつもりが30分ほど寝坊してしまった。<br>雨が降るなかテントを撤収し、阿曽原温泉を4:40に出発した。<br>短い登り下りを終えると、山奥の谷間の平地に突然関西電力の宿舎がでてきた。<br>そこからまたトンネル内を通過する。<br>トンネルの中は分かれ道が何箇所か出てきたり、トロッコ用の線路が交差したりしていて迷宮のような道だった。<br>ここで郷津が一言「なんか日本じゃないみたいですね」<br>入山時に登った白馬岳は人でにぎわっていたので、同じ北アでもここは特別に秘境のおもむきがあった。<br>トンネルから出て仙人谷ダムのほとりで休憩。<br>仙人谷を渡り、雲切新道の起点となる急な尾根に取りついた。<br>尾根はずっと急な登りの連続で、登りが緩やかになる1629mのピークまで3時間ほど登り続けた。<br>急なのぼりを終え、山肌を下り気味にトラバースしていくと噴煙が立ち上る仙人温泉に到着した。<br>仙人温泉から先では、雪渓の登りとなったので今まで使われなかったピッケルを装着した。<br>そこからしばらくすると雪渓が途切れ、普通の山道を1時間ほど登っていくと仙人池ヒュッテにたどりついた。<br>小屋の中で少し休ませていただいたあと池の平に向かい、ヒュッテから50分ほどで池の平山と仙人山のコルに建つ池の平小屋に到着した。<br><br><br>池の平小屋からみた八ツ峰<br><br>
<br><br><br><br><br>【5日目】 曇/雨<br><br>8/10<br><br>台風11号が日本に最接近するということでこの日は沈殿。<br>夜からは強風が吹いてテントのポールが折れはしないかとかひやひやした。<br>夜エッセンは予備のため飯だけだったが、持ってきた焼き鳥の缶詰と乾物を投入して炊き込みご飯風にしたのでそこそこ美味しかった。<br><br><br>暇すぎて変顔して遊んだ1日。<br><br>
<br><br><br><br><br>【6日目】 曇/雨<br><br>5:40 出発<br>8:05 南股出合<br>9:10 真砂沢ロッジ<br>9:55 長次郎谷出合<br>11:45 剣沢キャンプ場<br><br>8/11<br><br>台風の影響で前日の晩に大雨が降り、深夜0時ごろに目覚めるとテントの床が浸水していた。<br>シュラフや生活用具が水に浸り、そのまま寝ずに夜が明けるのを待った。<br>台風11号は日本から遠ざかり、天気は回復傾向の予想だったのでこの日は出発することにした。<br>しかし、3時半ごろにテントを撤収したものの雨風が強かったので、一時池の平小屋の乾燥室に退避して状況の経過を待つことにした。<br>すると小屋主さんが小屋のなかに招いてくれてお味噌汁やコーヒーを振舞ってくださった。<br>完全に明るくなり、雨風も明け方に比べたら弱まったようので出発することにした。<br>5時40分に、小屋主さんたちにお礼を述べつつ池の平を出発。<br>仙人峠から剣沢方面にむかって尾根を下っていくこと一時間半で近藤岩付近の二股に下った。<br>雨は降ったり止んだり断続的で、行動するには特に問題なかった。<br>二股からは河原沿いに走る登山道を、上流にむかってひたすら登っていった。<br>途中、河原の巻き道を見逃してしまい、無駄な渡渉を数回繰り返すということをして時間をロスしてしまった。<br>剣沢の登りがはじまって一時間半ほどで真砂沢ロッジに到着した。<br>真砂沢ロッジから先はひたすら雪渓を登った。<br>剣岳にはガスがかかっていて、長次郎谷や平蔵谷は上まで見通すことができなかった。<br>武蔵谷出合を過ぎたあたりから雪渓から外れて登山道を登り、最後につづらの急登を30分ほど上がると剣沢ロッジに到着した。<br>行程ではそのままベ別山乗越を越えて雷鳥平に下る予定だったが、台風の影響が残っていて雨はないが風が強かったので、この日は剣沢キャンプ場に泊まることにした。<br>この日のエッセンのトマトソーススパゲティはわりと美味しく、郷津の受けもよかったので満足。<br>シュラフが濡れていてとても寝れる代物ではなかったので、防寒着を着込んでシュラフカバーに体を突っ込んで寝た。寒かった。<br><br><br>剣沢に降り立つ。ここからながーい沢の道。<br><br>
<br><br>剣沢の雪渓に嫌気がさした郷津。雪面硬いしなかなか嫌な登りでしたよ。<br><br>
<br><br>手作りトマトスパゲティは今回の縦走で一番うまかったエッセンだった。<br><br>
<br><br>【7日目】 曇/雨→晴<br><br>3:00 起床<br>4:30 出発<br>5:55 雷鳥平<br>8:20 富士ノ折立<br>9:45 一ノ越<br>12:05 獅子岳<br>13:30 五色ヶ原<br><br>8/12<br><br>あいかわらず台風の影響が残っていて、その晩も風が強かった。<br>この日は出発までに1時間半もかかってしまった。<br>剣沢から別山乗越、雷鳥平までは眺めの1ピッチで、おおよそ1時間半でたどり着いた。<br>雷鳥平2200mから、立山3000mへの急な登り返しがはじまる。<br>立山稜線から室堂へと延びている大走という急峻な尾根にとりつき、立山のピークのひとつである富士ノ折立に2時間半かけて登頂した。<br>立山の稜線は3000mを越えており、岩がゴツゴツの岩稜帯だったが、道自体は平坦で特に困難な箇所はなかった。<br>稜線からは室堂や剣岳方面、また後立山連峰の景色がみごとだった。<br>立山縦走中に、それまで止んでいた雨が再び降り出し、横殴りの雨に打たれながら主峰・雄山を通過した。<br>雄山から一ノ越間は登山客や観光客が立山山頂を目指して列をなしており、いちいち道を譲る動作が面倒になるほどだった。<br>一ノ越から先は立山での喧騒が嘘だったかのように人影がまばらになり、スムーズに通過することができた。<br>獅子岳からザラ峠への急な長い下りで郷津が足裏の痛みをうったえ、若干ペースを落としつつ歩行した。<br>五色ヶ原への登りで雲が切れ晴れ間が見えるようになった。<br>五色ヶ原は一面お花畑の気持ちのいい場所で、キャンプ場について少しすると青空が広がった。<br>4日ぶりの太陽に感謝を述べつつ、前日までの雨で濡れた登山用具を乾かした。<br>五色ヶ原のテン場からは北アルプスの山並みが一望でき、これから目指す薬師、黒部五郎、槍ヶ岳なども見ることができた。<br><br><br>雷鳥平からみた立山<br><br>
<br><br>立山稜線からみた後立山連峰<br><br>
<br><br>富士ノ折立からみた劔岳<br><br>
<br><br>室堂平をみおろす<br><br>
<br><br>立山の社に参拝する郷津<br><br>
<br><br><br><br><br>【8日目】 晴→曇<br><br>3:30 起床<br>4:40 出発<br>5:40 鳶岳<br>7:00 越中沢岳<br>8:15 スゴの頭<br>9:35 スゴ乗越小屋<br>10:55 間山<br>13:40 薬師岳<br>15:10 薬師小屋<br>16:30 薬師峠<br><br>8/13<br><br>この日は二度目の寝坊してしまい、出発が遅れてしまった。<br>今までの日とは違い、この日の朝は快晴で朝日を浴びながら五色ヶ原を出発した。<br>越中沢岳までは、高原の緩やかな勾配の道をひたすら南を目指して縦走した。<br>越中沢岳-スゴ乗越の区間は勾配が急で、道も岩が少し露出していたので慎重に通過した。<br>スゴ乗越小屋に着いたのが9時半ほどで、目標にしていた10:00までにたどり着くことができたのでこのまま薬師岳を越えることにした。<br>スゴ乗越から先は郷津を先頭にして、薬師岳山頂を目指した。<br>2時間ほどで山頂付近の岩稜帯に到着。<br>北薬師から薬師岳までは地図で見るよりも距離が長く感じられ、小さなアップダウンが多かった。<br>想定していたよりも少し時間をかけてスゴ乗越か3時間40分ほどで薬師山頂に到着。<br>両名ともかなり疲労しており、山頂では長めに一本を取った。<br>薬師峠のキャンプ場は50張り以上のテントで埋まっていて、わずかなスペースを見つけテントを設営した。<br>この日は今回の縦走の行程で唯一雨に降られなかったが、テン場に着いてからは結局ポツポツ雨が降ってきた。<br><br><br>何日ぶりかの太陽!<br><br>
<br><br><br>
<br><br>これから越える薬師岳が目の前に大きく。<br><br>
<br><br>立山と後立の山並み<br><br>
<br><br>スゴ乗越をはさんで薬師と対峙<br><br>
<br><br>黒部源流と裏銀座・雲ノ平方面。<br><br>
<br><br>薬師岳の山頂にて。割と満身創痍なふたりです。<br><br>
<br><br>薬師平のテン場にて。二人用テントすら張るスペースを探すのに苦労する混み様。<br><br>
<br><br><br><br><br>【9日目】 曇/雨<br><br>5:00 起床<br>6:30 出発<br>8:25 北ノ俣岳<br>10:00 中ノ俣乗越<br>12:00 黒部五郎岳<br>14:15 黒五キャンプ場<br><br>8/14<br><br>この日は比較的行動時間が短かったので起床は遅くした。<br>太郎平-北ノ俣岳-中ノ俣乗越間はたおやかな草原の稜線で、のびのび歩くことができた。<br>中ノ俣乗越を越えたところで稜線がガスに覆われ、再び強い雨が降ってきた。<br>黒部五郎岳への急な登りを1時間ほどで登り終え、山頂に着いたのが正午ちょうど。<br>山頂からキャンプ場の下りは、岩尾根で思うように進まなかった。<br>1時間ほどで下れるかなという期待は裏切られ、2時間ほどかけてやっとキャンプ場に到着した。<br>予定していた行動時間よりも1時間以上遅れてしまい、縦走の疲れが出てきたのかなという感想だった。<br>なので翌日は沈殿することにした。<br><br><br>今にも大雨が来そうな空模様のなか、びくびくしながら黒部五郎をめざす。<br><br>
<br><br>雨風の黒部五郎。山頂で登頂の喜びに浸る時間なんてなし!<br><br>
<br><br><br><br><br>【10日目】 雨<br><br>8/15<br><br>前日に決めたとおり、この日は黒五キャンプ場に沈殿した。<br>日本列島を横切る前線と、大陸からの低気圧によってその日は一日中雨で、風も強かった。<br>豪雨が北アを遅い、黒五のキャンプ場は水浸しになってしまった。<br>水はけがいい場所を選んだつもりが、またもやテントの床が浸水してしまったので、急いで外に出てピッケルを使って水はけ用の水路を作った。<br>するとみるみるテント内の水は無くなったが、またもやシュラフなどの生活用品を濡らしてしまった。 <br>とりあえず最悪の事態は回避できたのでエッセンを済ましてその日は就寝した。<br><br><br><br>【11日目】 雨<br><br>6:00 起床<br>7:10 出発<br>9:05 三俣蓮華岳<br>10:20 双六岳<br>11:20 双六小屋<br><br>8/16<br><br>翌日の明け方も、前日と同じく雨風が激しかった。<br>3:00にいったん起床したが行動できなさそうだったのでしばらく様子を見ることにした。 <br>6:00ごろ、雨風が収まって行動できそうだと判断されたのでとりあえず双六小屋まで行ってみることにした。<br>大雨で沢のようになった登山道を、三俣蓮華にむかって登っていく。<br>三俣蓮華岳の山頂までは雨風はあまり強くなかったが、その先の双六岳の稜線で前も見れないほどの豪雨に見舞われ、また上空で雷鳴が聞こえてきた。<br>ノンストップで三俣蓮華から2時間ほどで双六小屋に到着し、大雨が降りしきる中テントを設営した。<br>それまでの教訓からテントを囲むように水はけ水路を作成し、そのおかげで雨が激しかったが浸水はせずにすんだ。<br>その夜、2人で次の日からの行動について相談した。<br>郷津の足の様子は心配だったが、槍ヶ岳くらいまでだったら登れなくもないと判断したので、翌日天気が回復すれば西鎌尾根を登って槍沢方面に下山すると決めた。<br>この日は塩辛い豚のぺミカンで作ったカレーだった。<br>塩分過多に胃腸をやられたkは、頻繁にトイレに行く羽目になってしまった。<br><br><br>三俣蓮華岳にて。<br><br>
<br><br>双六小屋にて。一瞬晴れ間が見えて鷲羽岳が姿を見せた。<br><br>
<br><br>行くかもしれない西鎌尾根の登り口を指さして微笑む郷津。いけなくて申し訳ない…。<br><br>
<br><br><br><br><br>【12日目(最終日)】 雨<br><br>3:30 起床<br>5:10 出発<br>6:35 鏡平<br>7:45 イタドリヶ原<br>9:10 林道終点<br>10:50 新穂高温泉<br><br>8/17<br><br>前日に槍ヶ岳を目指すと決めていたが、、新穂高にエスケープすることに決めた。<br>稜線地帯を急いで抜け、双六小屋から一時間半ほどで鏡平に到着。<br>晴れていれば景色が綺麗なんだろうな…、と悔しい気分になったが下山を続行した。<br>林道を新穂高を目指し下ること1時間半で、ロープウェイの起点にある新穂高ビジターセンターに到着した。<br>センターのところには報道陣が集まっていてインタビューを受けた。<br>あとで温泉の休憩室でテレビを見ていたところ、NHKの全国ニュースでちょうど今いる新穂高が画面に出てきた。<br>タイムリーで北アルプスでの遭難事故について報道しているようだった。<br>12日間におよぶ縦走、すべての日程で雨が降った。<br>後々につながる良い経験にはなったのだろうが、本音は「もう雨はやだ!」<br><br><br>新穂高の林道に下山。あとは林道を2ピッチ歩くだけ…<br><br>
<br><br>新穂高温泉でカルボナーラをたべる郷津。12日間、おつかれさん。<br><br>